子供の歯科矯正に補助金は使える?公的保険や控除を活用するポイント
子供の歯科矯正に補助金はある?一般的な矯正は補助金の対象外が多いですが、公的保険適用の条件や乳幼児医療費助成制度、医療費控除を活用すれば費用負担を軽減できます。その具体的方法をご紹介します。
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この記事を監修した専門家
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
子供の歯科矯正に使える補助金はある?
子供の歯科矯正に補助金はあるのでしょうか。
残念ながら、一般的な歯科矯正は国や自治体の補助金の対象外となることが多いです。
しかし、公的保険が適用される条件や乳幼児医療費助成制度、医療費控除を活用することで、費用負担を軽減する方法があります。
たとえば、顎変形症や先天的な歯の異常の場合、保険適用となることがあります。
さらに、医療費控除を申請することで、治療費の一部が税金還付として戻ってくる可能性があります。
今回はこれら子供の歯科矯正に使える補助制度を具体的に解説していきます。
子供の歯科矯正にかかる費用は?
歯科矯正の一般的な費用
子供の歯科矯正費用は、治療内容や使用する装置、通院する歯科医院などによって大きく異なります。
そのため、一概にいくらとは言えませんが、一般的には数十万円から数百万円かかることが多いです。
費用は大きく分けて以下の項目で構成されます。
- 初診料・診断料: 歯の型取りやレントゲン撮影など、治療計画を立てるための費用。
- 装置費用: 歯に装着する装置(ブラケット、ワイヤーなど)の費用。
- 調整料: 定期的な調整にかかる費用。
- 保定装置費用: 治療後に歯の動きを固定するための装置の費用。
子供の歯科矯正に使える補助金とは?
歯科矯正の費用は高額で、経済的な負担が大きいと感じている方も多いでしょう。
そこで、費用を少しでも抑えたいと考える方は、どのような補助金があるのか気になりますよね。
以下が歯科矯正に使える可能性のある補助制度です。
公的保険
公的保険が適用される条件
残念ながら、一般的な歯科矯正は、健康保険の適用外です。
しかし、以下の3つの場合に限り、矯正歯科治療が保険診療の対象になることがあります。
- 特定の病気による歯の異常の場合
- 唇顎口蓋裂やダウン症候群など、生まれつきあごや口の骨格に異常がある場合
- これらの病気によって歯並びや噛み合わせに問題が生じている場合、矯正治療が保険適用になることがあります。
- 歯が生えそろわない場合
- 前歯や奥歯が3本以上生えそろわない場合で、手術が必要な場合
- 歯が生えそろわないことで、噛み合わせに問題が生じている場合、矯正治療が保険適用になることがあります。
- 顎の骨格に大きな異常がある場合
- 顎変形症と呼ばれる、上下の顎の骨の大きさが著しく異なる場合
- このような場合は、手術と併せて矯正治療を行うことが多く、保険適用になることがあります。
保険適用を受けるためには?
保険適用を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 特定の病気を持っていること: 上記の病気のいずれかに該当する必要があります。
- 病気によって歯並びや噛み合わせに問題があること: 単に歯並びが悪いだけでなく、病気によって機能的な問題が生じている必要があります。
- 保険医療機関を受診すること: 厚生労働大臣が定める施設基準を満たした医療機関を受診する必要があります。
参考:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会
乳幼児医療費助成・子ども医療費助成
自治体によって0歳から18歳までの子供を対象に、医療費の一部または全額を自治体が助成する制度です。
助成の対象となるのは、通院・入院・薬剤費・歯科治療費などです。
公的保険の自己負担分を一部または全額助成される仕組みになっています。
利用条件と支給内容
自治体によって、対象となる医療機関や助成額が異なります。
歯科治療も対象となる場合がありますが、矯正治療は対象外であることが多いです。
しかし条件に当てはまり、公的保険の治療対象となった場合はこの乳幼児医療費助成制度・子ども医療費助成制度の対象となる可能性が高くなります。
自治体ごとの確認方法
お住まいの市区町村の役所または保健センターにお問い合わせください。
補助金以外で歯科矯正費用を抑える方法
歯科矯正の費用は高額ですが、以下のような方法で費用負担を軽減できる場合があります。
- 医療費控除
- 分割払い
- 医療ローン
(1)医療費控除
医療費控除の対象となるため、確定申告を行うことで税金が戻ってくる可能性があります。
治療費だけでなく、交通費や薬代なども含めることができます。
控除額
前年の所得と医療費の合計額によって、控除される金額が変わります。
所得が低いほど、控除額が高くなる傾向があります。
手続き方法
確定申告を行う必要があります。
医療費控除を受けるためには、医療費の領収書などを保管しておくことが大切です。
医療費控除のメリット
確定申告を行うことで、払いすぎた税金の一部が戻ってきます。
高額な医療費の負担を軽減できます。
国税庁公式HP「医療費控除」
(2)分割払い
多くの歯科医院では、分割払いが可能です。
一度に大きな金額を用意する必要がないため、経済的な負担を軽減できます。
また、選択する分割払いの種類によっては比較的金利が低い傾向にあります。
注意点
金利や手数料がかかる場合があります。
契約内容をよく確認しましょう。
分割払いの種類
- 歯科医院独自の分割払い:無利息または低金利で分割払いできる場合があります。
- 医療ローン:医療費専用のローンを利用することも可能です。
(3)医療ローン
メリット
高額な医療費をまとめて借り入れられるため、資金調達がスムーズに行えます。
返済期間が長くとれる場合もあります。
注意点
金利や手数料がかかる場合があります。
返済計画をしっかり立てて、無理のない範囲で借り入れましょう。
歯科医院の選び方
複数の歯科医院で相談し、費用や治療内容を比較検討しましょう。