補助金申請に必要なGビズIDとは?取得方法と使い方を解説

本コラムでは、補助金申請に必要なGビズIDプライムの取得方法やよくある質問ついて分かりやすく解説します!
梅沢 博香

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この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

補助金申請に必要なGビズIDプライムの取得方法

GビズIDには、「プライム」「メンバー」「エントリー」という3つの種類があり、補助金申請に必要なのは、「プライム」です。GビズIDプライムの申請の流れ(法人・個人共通)以下のステップで申請を行います。

  1. 公式サイトで申請フォームに必要情報を入力
  2. 申請書(PDF)をダウンロードし、印刷・押印
  3. 印鑑証明書と一緒に郵送で提出
  4. 事務局による審査・本人確認
  5. 問題がなければメールでID発行通知が届く

公式サイトで行う申請フォームは4ステップ!

一番初めに公式サイトで行うことは以下の4ステップです。

  1. 申請情報の入力
  2. GビズIDアプリで申請情報に電子署名
  3. GビズIDアプリへの利用アカウントの登録(アプリ認証)
  4. SMSによる本人確認

ここでは、「1.申請情報の入力」について詳しく解説します。メールアドレスを登録し、基本情報を入力します。その後、GビズIDアプリで読み取るQRコードが表示されます。
まずは、アカウントID(メールアドレス)の入力をします。

GビスIDメールアドレス.出典:GビズID公式サイト
次に基本情報・アカウント利用者情報の入力をします。

GビスID基本情報入力出典:GビズID公式サイト
最後にGビズIDログインパスワードの入力をします。
GビズIDログインパスワード出典:GビズID公式サイト
GビズIDプライムの取得は、オンラインだけでは完結しません。申請情報の入力後、書類を印刷し、必ず原本を郵送する必要があります。以下、郵送時に特に気を付けたい点です。

  • 印鑑証明書はコピー不可。原本が必要
  • 郵送先住所を間違えない(申請書に記載あり)
  • 電子印鑑やスタンプ印は不可。登録印で押印すること

GビズIDプライムの申請時に提出する申請書類の送付先(郵送先住所)は、申請者ごとに生成されるPDF申請書に記載されています。そのため、公式サイト上に一律の送付先住所は公開されていません。

GビズIDプライムの申請に必要なもの

GビズIDプライムの申請に必要なものは、申請者が法人か個人事業主かによって異なります。

区分必要書類・情報補足説明
法人(株式会社、合同会社など)・法人名義の印鑑証明書(発行から3か月以内)
・法人番号
・代表者の氏名、連絡先(電話番号・メールアドレス)
印鑑証明書は原本が必要。登録印での押印必須。
個人事業主・本人の印鑑証明書(発行から3か月以内)
・氏名、住所などの本人確認情報
・電話番号
・メールアドレス
自身の印鑑証明書の原本を同封して郵送。

GビズIDが必要となる補助金申請の例

以下のような経済産業省系の補助金制度では、GビズID(主に「GビズIDプライム」)の取得が原則必須となっています。

補助金制度名GビズIDの必要性備考
小規模事業者持続化補助金必須電子申請システム「jGrants」での提出が原則
IT導入補助金必須すべての申請でGビズIDプライムの取得が必要
ものづくり補助金必須GビズIDがないと申請画面にアクセスできない
新事業進出支援補助金(経産省)必須事業再構築補助金の後継制度。申請はjGrants経由
雇用関係助成金(厚生労働省)一部対応電子申請の一部でGビズIDに対応している

GビズIDに関するよくある質問

Q1. GビズIDの取得に費用はかかりますか?

GビズIDの取得は無料です。GビズIDプライムを含むすべてのIDの発行において、申請料や発行手数料などの費用は一切かかりません。ただし、印鑑証明書の発行手数料や郵送代は自己負担となります。

Q2. GビズIDとGビズIDプライムの違いは何ですか?

GビズIDには複数の種類がありますが、補助金申請で必要なのは「GビズIDプライム」です。

IDの種類本人確認主な用途
プライム必要補助金申請・行政手続き全般
メンバー不要(招待制)サポート業務や確認用
エントリー不要一部の簡易サービスのみ(補助金不可)

Q3. 補助金の申請中にGビズIDを変更できますか?

補助金の申請中にGビスIDの変更できません。補助金申請に使用したGビズIDと事業者情報は紐付けされるため、申請途中で別のIDに変更することができないからです。やむを得ず変更が必要な場合は、申請先の補助金事務局に個別に相談してください。

Q4. 個人事業主でもGビズIDは取得できますか?

個人事業主でもGビスIDの取得は可能です。GビズIDプライムを申請することで、法人と同様に補助金申請が可能です。個人の場合は、本人の印鑑証明書と本人確認情報を基に申請します。

Q5. GビズIDで雇用関係の助成金は申請できますか?

GビズIDで雇用関係の助成金は一部申請できます。厚生労働省の助成金の中には、電子申請システム「雇用関係助成金受付システム」においてGビズIDでログイン・申請できる制度があります。ただし、すべての助成金に対応しているわけではないため、対象制度ごとに公式サイトで確認が必要です。

Q6. GビズIDの取得は難しいですか?

GビズIDの取得は難しくありません。実際にデジタル庁は、78.8%の方が「簡単だった」と回答していると報告しています。
※一般消費者へのGビズID利用に関するアンケートより、法人プライムアカウントの場合。 (2024年8月実施)

Q7.GビズIDプライムアカウントはどのくらいの期間で作成できますか?

GビズIDプライムアカウントは、GビズIDプライムアカウントをオンライン申請した場合、最短で即日発行が可能できます。印鑑証明書や申請書を郵送した書類を用いて審査を行い発行郵送の場合は、原則2週間かかります。

Q8.一度取得したGビズIDのアカウントに、有効期間はありますか?

一度取得したGビズIDのアカウントに、有効期間はありません。しかし、デジタル庁は、今後、有効期間を設けること予定していると回答しています。
※一度取得したアカウントは有効期間内の再取得は不要です。

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まとめ

補助金申請をオンラインで行う場合は、「GビズIDプライム」の取得がほぼ必須です。GビズIDは、行政手続を一元化するための「共通認証」として経済産業省が導入した仕組みで、jGrantsなど多くの申請システムで使用されています。

GビズIDプライムの取得には、印鑑証明書の準備や郵送手続きが必要なうえ、発行までに1~2週間かかるのが一般的です。補助金の申請期限が迫ってからでは間に合わないこともあるため、補助金に興味がある方は、できるだけ早めに取得手続きを進めておくことをおすすめします。今後も多くの補助金・助成金制度でGビズIDの活用が求められるため、しっかりと仕組みを理解し、スムーズな申請に備えておきましょう。
行政サービスの一覧
参考:GビズIDの公式サイト

人物

監修者からのワンポイントアドバイス

GビズIDは聞き慣れない方もいらっしゃるかと思いますが、補助金申請はGビズIDを用いて電子申請する際に必要なものとなっています。個人事業主で取得していても法人成りした際には再度取得する必要がありますので注意しましょう。