ものづくり補助金は圧縮記帳ができる?
ものづくり補助金では、圧縮記帳の適用が認められています。
圧縮記帳は、会計処理の制度の一つで、ものづくり補助金を活用する際にも適用できます。
しかし、「圧縮記帳とは具体的にどんな制度なのか?」「適用するための条件は?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
本コラムでは、圧縮記帳の仕組みや適用条件について分かりやすく解説します。
ものづくり補助金では、圧縮記帳の適用が認められています。圧縮記帳とは、資金繰りの負担を軽減するための制度です。本コラムでは、ものづくり補助金における圧縮記帳の仕組みを、具体例を交えて分かりやすく解説します。
カミーユ行政書士事務所代表・行政書士
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ものづくり補助金では、圧縮記帳の適用が認められています。
圧縮記帳は、会計処理の制度の一つで、ものづくり補助金を活用する際にも適用できます。
しかし、「圧縮記帳とは具体的にどんな制度なのか?」「適用するための条件は?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
本コラムでは、圧縮記帳の仕組みや適用条件について分かりやすく解説します。
ものづくり補助金は、設備投資を通じて革新的な製品やサービスを生み出し、業務の効率化を図ることで生産性の向上を目指す制度です。
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」であり、「ものづくり」だけでなく、商業やサービス業の事業者も活用できます。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
このように、ものづくり補助金はさまざまな業種で活用できる制度です。
2025年度版、ものづくり補助金の概要はこちら!
ものづくり補助金の申請が可能なのは、中小企業や小規模事業者です。
また、個人事業主も応募が可能となっています。
さらに、商店街振興組合などの組合も申請対象ですが、以下のような団体は申請できないため注意が必要です。
申請前に、自社や団体が対象となるかをしっかり確認しておきましょう。
ものづくり補助金を受けるには、革新的な生産性向上や業務効率化を実現するための事業計画を策定し、3~5年以内に以下の要件を満たすことが求められます。
年平均成長率+3%以上の増加
※付加価値額とは、営業利益+人件費+減価償却費を合計したもの
直近5年間の年平均成長率以上、または年平均成長率+2%以上の増加
地域別最低賃金+30円以上
上記の内容を事業計画書にまとめ、実行する必要があります。
簡単に言えば、「設備投資をして営業利益を増やし、従業員の給与も引き上げる」ことが求められます。
これは、生産性向上と従業員への還元を促す社会政策の一環でもあります。
なお、昨年度までは給与支給総額の上昇率は1.5%でしたが、今年度からは物価上昇に伴い2%に引き上げられました。
申請時には、これらの要件を満たすことを約束する形になります。
そのため、達成できなかった場合は補助金の返還対象となる可能性があるため、慎重に計画を立てることが重要です。
ものづくり補助金には、どのようなカテゴリーがあるのかを確認しておきましょう。
2025年度(令和7年度)のものづくり補助金は、以下の2つの類型に分かれています。
類型 | 概要 |
製品・サービス高付加価値化枠 | 革新的で高性能な設備投資を行い、製品やサービスの価値を向上させる事業向け。 |
グローバル枠 | 海外向けの製品開発や市場開拓を目的とした事業向け。 |
シンプルにまとめると、「国内向けの高付加価値化」か「海外展開」かの違いです。
なお、令和6年度までは「省力化(オーダーメイド)枠」という類型もありましたが、2025年度から「省力化補助金」として独立する形になりました。
この枠では、自動化機械やシステムの導入による労働プロセスの効率化や、労働環境の改善を目的としていたため、より適した補助金制度へ移行したと考えられます。
ものづくり補助金、2025年も実施決定!スケジュールや変更点は?
上限額に関しては、従業員数によって変わります。
従業員数が増えれば増えるほど、上限額も増えていく仕組みになっています。
また、補助率は小規模事業者の場合 2/3 で、小規模事業者持続化補助金とほぼ同じ水準です。
ものづくり補助金は、大規模な設備投資を支援する補助金ですが、「収入」として扱われるため、課税対象となります。
これは、ほとんどの補助金に共通するルールであり、ものづくり補助金も例外ではありません。
そのため、補助金を受け取った年の法人税が高額になる可能性があるため注意が必要です。
補助金の受給による税負担を抑えるために、「圧縮記帳」といった方法を活用することも検討しましょう。
圧縮記帳とは、補助金を活用して購入した設備の 取得価格 から補助金額を差し引き、税負担を後にずらす制度です。
補助金を受け取ると、それが収益とみなされて課税の対象になります。しかし、例えば新しい機械を導入して新製品を開発する場合、製品が市場に出て売上が安定するまでには時間がかかります。
その間に 補助金に課税されると、資金繰りが苦しくなることも。そのような負担を軽減するために使えるのが「圧縮記帳」という制度です。
圧縮記帳とは、補助金を活用して購入した設備の取得価格から、受け取った補助金の額を差し引き、課税対象となる利益を抑える方法です。
簡単に言うと、補助金を受け取った年度にすぐ課税されるのではなく、設備の減価償却とともに少しずつ課税される仕組みになっています。
例えば、1,000万円の機械を補助金500万円を使って購入した場合、圧縮記帳を適用すると、機械の取得価格を500万円と計上できます。
これにより、補助金500万円分にすぐ課税されるのを防ぎ、税負担を後に分散させることができるのです。
ものづくり補助金を活用する際も、この圧縮記帳を使うことで、税負担を抑えながら事業を安定させることができます。
事業再構築補助金で圧縮記帳を活用するメリットは?
圧縮記帳の仕組みをより具体的に理解するために、実際のケースを想定してみましょう。
ケース
この場合、補助金の交付決定時に、以下の仕訳が行われます。
〈現預金 200万円/雑収入 200万円〉
次に、事業で機械設備を購入した際の仕訳は以下の通りです。
〈機械 300万円/現預金 300万円〉
ここに圧縮記帳を適用すると、以下の仕訳が加わります。
〈圧縮損 200万円/機械 200万円〉
これにより、機械設備の固定資産の帳簿価額が300万円から100万円に減額され、補助金の課税が一時的に免れることになります。
仮にこの機械設備の耐用年数が5年だった場合、減価償却費の計算は以下のようになります。
このように、圧縮記帳を適用すると減価償却費が少なくなるため、経理上は補助金を受けた利益が発生していないように見えます。
ただし、圧縮記帳を適用した場合でも、補助金に対する課税が完全に免除されるわけではありません。
例えば、圧縮記帳を適用しない場合、機械の帳簿価額は300万円のままとなり、毎年60万円を減価償却費として計上できます。
一方、圧縮記帳を適用すると、帳簿価額が100万円に圧縮されるため、減価償却費は年間20万円しか計上できません。
つまり、減価償却費が少なくなる=収益から差し引ける費用が減るため、翌年度以降の課税所得が増える可能性があります。
圧縮記帳は、補助金に対する課税を免除するものではなく、課税を先送りする手法であることを理解しておきましょう。
圧縮記帳を活用する際には、いくつかの注意点があります。
まず、圧縮記帳は通常の経理処理に加えて、「圧縮記帳資産」という特別な項目を管理する必要があるため、固定資産台帳とは別の帳簿での管理が求められます。
また、圧縮記帳を適用すると固定資産の帳簿価額が減額されるため、その分後々の課税額が増えるという点も理解しておく必要があります。
メリット | デメリット |
補助金への課税を一時的に免れる | 後々の課税額が増える |
事業の資金繰りがしやすくなる | 経理処理が複雑になる |
圧縮記帳は、補助金を受け取った年度の税負担を軽減できる有効な手法ですが、その後の会計処理や課税への影響も考慮した上で活用することが重要です。
ものづくり補助金では、圧縮記帳を活用することが可能 です。
公式サイトでも、以下のように明言されています。
「令和3年度補正・令和4年度2次補正「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、全国中小企業団体中央会から補助対象者に交付されるものであり、直接的には国から補助対象者に補助金が交付されるものではありませんが、所得税法第42条又は法人税法第42条に規定する国庫補助金等に該当し、他の要件も満たす場合には圧縮記帳等の適用が認められます。」
引用:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」における圧縮記帳等の適用について
つまり、ものづくり補助金は国庫補助金等に該当するため、圧縮記帳の対象となる ということです。
ただし、「他の要件も満たす場合」 という条件があるため、具体的な適用条件については事前に確認しておく必要があります。
上の言明で気になるのは、「他の要件も満たす場合」とはどのような条件を指すのかという点です。
具体的な圧縮記帳の適用要件は、以下の通りです。
これらの要件を満たすことで、圧縮記帳の適用が可能となります。特に、補助金を受けた年度内に適切な経理処理を行い、申告時に必要な書類を提出することが重要です。
圧縮記帳の対象となるものは、これまでにも述べてきた通り「固定資産」です。
固定資産とは、以下のような資産を指します。
ものづくり補助金を活用する場合、対象となる固定資産は主に機械設備であることが多いです。
そのため、補助金の適用範囲を確認し、圧縮記帳が可能な固定資産であるかどうかを事前にチェックすることが重要です。
ものづくり補助金で圧縮記帳を活用すれば、補助金による課税負担を一時的に抑え、新事業の立ち上げをスムーズに進めることができます。
ものづくり補助金以外にも圧縮記帳を活用できる補助金はあります。
例えば、以下の補助金は圧縮記帳が適用されています。
補助金を活用する際には、圧縮記帳の対象となるかどうかを事前に確認し、税負担を考慮した資金計画を立てることが重要です。
圧縮記帳は、補助金にかかる税金を完全に免除するものではなく、将来へと税金を繰り越す制度です。
そのため、圧縮記帳の適用対象であっても、必ず利用しなければならないわけではありません。
たとえば、事業の初期段階でも資金繰りに余裕がある場合、圧縮記帳を利用せず、そのまま補助金を収益計上する事業者もいます。
これは、圧縮記帳を適用することで増える会計処理や確定申告時の手間を避けるためです。
圧縮記帳を活用するかどうかは、資金繰りの状況や経理負担を考慮した上で判断することが重要です。
補助金申請は、「優れた事業を行う代わりに、行政から資金を支援してもらう」制度です。
そのため、補助金には費用や収益が関わり、税金の問題も避けて通れません。
特に、補助金の金額が高額になるほど課税額も増えるため、税負担を一時的に緩和する手段として圧縮記帳という方法を知っておくことが重要です。
最後に、今回のポイントを再確認しておきましょう!
補助金申請を検討する際は、税負担の計画も含めて圧縮記帳の活用を考慮することが大切です。
ドローン導入にものづくり補助金が使える!
建設業はものづくり補助金を活用できる!
ものづくり補助金は農業にも使える!
補助金などの臨時的に発生する一定の収入がある場合、圧縮記帳により、かかる税金を補助金を受取ったときに一度に課税するのではなくて税金の支払いのタイミングを次年度以降に遅らせることが可能になります。ただしメリット、デメリットを総合的に判断する必要がございます。
実は、「補助金は申請すれば受給できる」わけではありません。
厳しい審査をクリアする必要があり、4社に1社しか通過できない難関補助金も多いのです。
審査通過率を飛躍的に上げるには、申請サポート会社の力を借りるのが鉄則!
提出書類の抜け・漏れがないように、弊社が万全のサポートで審査通過を目指します。
弊社は補助金申請のサポートを行っており、これまでに70億円以上の申請総額、2,000件以上の申請実績があります。
専門家による的確なアドバイスとサポートで、御社を採択へ導きます!
サポートさせていただき見事採択された方々のお喜びの声をご紹介します。
「簡単な内容を伝えただけで、立派な書類に仕上げていただきました。急な変更にもすぐ対応してくれて、とても満足です!」
「電話やメールで手続きが完了するので非常に楽でした!LINEでも相談できる気軽さもよかったです。」
「必要な情報を渡すだけで専門家がすべて対応してくれます!リアリゼイションのマニュアルを活用すれば、必要なところを穴埋めするだけで書類ができますし、とにかく時間が浮いて、本業に集中することができました!」
補助金に関するお悩みやご相談がある方は、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせくださいませ。担当者があなたのお悩みに丁寧に回答いたします!