2024年最新版!個人事業主が使える国の助成金一覧

2024年、個人事業主が使える国の助成金を紹介します。
梅沢 博香

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個人事業主が使える国の助成金一覧

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

2024年、個人事業主が使える助成金は?

個人事業主が使える助成金は、国の助成金と自治体の助成金の2種類に分類できます。
本コラムでは、国の助成金のうち以下2種類を紹介します。

  • 賃上げに関する助成金
  • 雇用に関する助成金

助成金と補助金の違い

本コラムでは個人事業主が活用できる国の助成金を紹介しますが、まずは補助金との違いを確認しましょう。

助成金

基本的に条件を満たせば支給されるもので、雇用促進や教育、福祉など特定の目的を支援するためのものです。補助金に比べて申請が簡単で、用途の制限が少ない場合が多いです。

補助金

主に新しい事業やプロジェクトの実施に対して支給され、競争的な審査を通じて採択されるものです。一定の成果が求められ、用途に制限があります。
参考:小規模事業者持続化補助金ガイドブック

賃上げに関する助成金

賃上げをする際に使える助成金として、厚生省の業務改善助成金があります。

業務改善助成金

業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
助成対象経費、助成対象経費、助成率は、条件によって異なります。

助成対象経費助成限度額助成率
生産性向上に資する設備投資等600万円 最大9/10

助成対象経費

生産性向上に資する設備投資等のうち、原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前3か月間のうち任意の1か月の利益率が前年同月に比べ3%ポイント以上低下している事業者に限り、以下助成対象経費も対象になります。

  • PC、スマホ、タブレット等の端末と周辺機器の新規導入
  • 定員7人以上または車両本体価格200万円以下の乗用自動車や貨物自動車

助成限度額

事業場内最低賃金の引き上げ額、賃上げした人数、事業場規模によって異なります。
賃上げ額と賃上げした人数が多いほど助成額が高くなります。
例えば、10人以上の従業員の賃金を90円以上引き上げた事業場規模30人未満の事業者の場合、助成限度額は600万円です。
参考:業務改善助成金に関する厚生省公式サイト

雇用に関する助成金

個人事業主が使える雇用に関する助成金には以下のものがあります。

  • 両立支援等助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 人材確保等支援助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

両立支援等助成金

両立支援等助成金は、仕事と育児・介護等が両立できる“職場環境づくり”を取り組む事業主を支援する制度です。
以下の取り組みの促進を支援する6つのコースがあります。

  • 男性の育児休業取得
  • 仕事と介護の両立
  • 円滑な育児休業取得
  • 育児中の業務体制整備
  • 仕事と育児の両立
  • 仕事と不妊治療の両立

両立支援等助成金を活用できる個人事業主の条件

  • 労働者を雇用していること
  • 育児・介護休業の取得、職場復帰支援、勤務時間の短縮等、育児・介護との両立を支援する制度を導入・運用していること 等

助成額は各コースによって異なるので厚生省の公式サイトをご覧ください。
参考:両立支援等助成金に関する厚生省公式サイト

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を行う場合、訓練経費や訓練中の賃金の一部を助成する制度です。
人材開発支援助成金には、対象訓練別に以下3つのコースがあります。

訓練コース名対象訓練
人への投資促進コース高度デジタル人材の育成のための訓練や労働者が自発的に受講した訓練等
人材育成支援コース10時間以上のOFF-JTによる訓練やOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練
事業展開等リスキリング支援コース事業展開やDX等に伴い新たな分野で必要となる知識などを習得させるための訓練

人材開発支援助成金を活用できる個人事業主の条件

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 労働者に対して職務に関連した知識や技能を習得させるための計画的な職業訓練を実施すること 等

助成額は各コースによって異なるので厚生省の公式サイトをご覧ください。
参考:人材開発支援助成金に関する厚生省公式サイト

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、労働環境を向上させ、魅力的な職場を作るために事業主や事業協同組合等に助成する制度です。これにより、人材の確保と定着を促進することを目的としています。

人材確保等支援助成金には、以下のような複数のコースがあります。(新規受付を休止しているコースもあるのでご注意ください)

コース名内容
中小企業団体助成コース改善計画の認定を受けた中小企業団体が、構成中小企業のために人材確保や従業員の職場定着を支援する事業を行った場合に助成
人事評価改善等助成コース事業主が生産性向上のための人事評価制度を整備し、定期昇給以外の賃金制度を導入することで、生産性向上、賃金アップ、離職率低下を図る場合に助成
建設キャリアアップシステム等普及促進コース建設事業主団体が実施する次の事業に対して助成
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(一般トライアルコースまたは障害者トライアルコース)を受けた場合に助成
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)岩手県、宮城県、福島県に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借した中小建設事業主等に助成
外国人労働者就労環境整備助成コース外国人労働者の職場定着を支援するため、就業規則の多言語化など、外国人特有の事情に配慮した就労環境を整備する事業主に助成
テレワークコース中小企業が良質なテレワーク制度を導入・実施し、労働者の人材確保や雇用管理改善に効果を上げた場合に助成
派遣元特例コース令和6年5月24日から令和7年3月31日までに、新しい賃金制度を整備または改善し、労使協定に基づいて派遣労働者に適用した派遣元事業主に助成

人材確保等支援助成金を活用できる個人事業主の条件

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 労働環境を向上させる取り組みを計画し、実施すること 等

参考:人材確保等支援助成金に関する厚生省公式サイト

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用者の正社員化や処遇改善を図る企業に対して助成する制度です。企業がこれらの労働者のキャリアアップを促進する取り組みを行った場合に助成金が支給される制度です。
キャリアアップ助成金には、正社員化支援と処遇改善支援の2つの支援があり、それぞれにコースが設けられています。

正社員化支援

コース名内容
正社員化コース 有期雇用労働者等を正社員化
障害者正社員化コース障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換

処遇改善支援

コース名内容
賃金規定等改定コース有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額
賃金規定等共通化コース有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用
賞与・退職金制度導入コース有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し支給または積立てを実施
社会保険適用時処遇改善コース
(令和8年3月31日まで)
有期雇用労働者を新たに社会保険に加入させ、収入を増加させる(手当支給・賃上げ・労働時間延長)か、週所定労働時間を延長して社会保険に適用する

キャリアアップ助成金を活用できる個人事業主の条件

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • キャリアアップ計画を作成し、労働組合等の意見を聴いて提出すること
  • 正社員化や処遇改善等の非正規雇用労働者のキャリアアップに関する具体的な取組を行うこと 等

参考:キャリアアップ助成金に関する厚生省公式サイト

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、下の3つのような雇用情勢の厳しい地域等で、事業所の設置・整備に伴い地域の求職者等を雇い入れた事業主に対して支給する助成金です。

  • 若年層・壮年層の流出が著しい地域
  • 求職者数に比べて雇用機会が著しく不足している地域
  • 特定有人国境離島等地域(日本の国境に近い有人の離島で、特にその地域の発展や安全保障が重要視されている地域)


以上の地域に新しい事業所を設置して、地域の求職者を雇用すると、事業所の設置費用や雇用人数に応じて助成金が支給されます。
雇用した労働者が職場に定着していることを確認し、最大3年間にわたって助成金を受け取ることができます。
また、特定の地域や条件によっては、さらに優遇された助成金が利用できる場合があります。

事業所の設置等の費用と雇入れにより増加した労働者数に応じて助成金が支給されます。
例えば、設置・設備費用が5,000万円以上、対象労働者の増加人数20人以上の事業主の場合、助成額は800万円です。

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)を活用できる個人事業主の条件

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 新たに雇用を創出し、地域の求職者を一定数以上雇用すること
  • 雇用情勢が特に厳しい地域や再生困難地域など、指定された地域で事業所の設置や整備を行うこと 等

参考:地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)に関する厚生省公式サイト

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、職業経験が不足しているなどで就職が困難な求職者を、無期雇用契約に移行することを前提に一定期間試行雇用する事業主に対して助成する制度です。これにより、求職者の早期就職や雇用機会の創出を図ります。
支給額(月額)は、最大4万円、最長3か月です。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)出典:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)に関する厚生省公式サイト

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)を活用できる個人事業主の条件

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 試行雇用期間は原則3か月で、週30時間以上の労働時間を提供すること
  • ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により対象労働者を試行雇用すること 等

参考:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)に関する厚生省公式サイト

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事業で利用可能な自治体や国の補助金、実はたくさんあります!
これらの補助金を活用することで、事業の課題を解決しつつコストを削減できます。

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個人事業主が使える補助金としてたとえば以下の補助金があります。

IT導入補助金
・最大450万円
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ものづくり補助金
・最大4,000万円~1億円
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事業再構築補助金
・最大7,000万円~3億円
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小規模事業者持続化補助金
・最大250万円
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省力化投資補助金
・最大1,500万円
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中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
・最大50億円
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