【2024年最新】省力化補助金は介護業界も申請可能?

介護や医療など、公的な診療報酬の請求を受けている業種は、省力化投資補助金の対象外となります。 本コラムでは省力化投資補助金が対象外となる理由と介護業界も使える補助金をご紹介します!
中本 明日香

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省力化投資補助金 介護業界は対??

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。


介護業界は省力化補助金の対象外です

介護や医療など、公的な診療報酬の請求を受けている業種は、「省力化補助金」の対象外となります。
これは、補助金を受け取ることで、国から二重に資金を受け取っているとみなされるためです。

例外として、これらの業種で補助金が認められているのは「IT導入補助金」のみです。また、一部の自治体補助金では、例外的に対象業種に選定されるケースもあります。
したがって、介護業界は「省力化補助金」の対象外となるため、補助金の利用を検討する際には、他の支援制度を確認しましょう。

「省力化補助金」とは

省力化補助金は、正式に「中小企業省力化投資補助金」といい、中小企業などの売上拡大や生産性向上を支援するため、人手不足に悩む事業者に対して、IoTやロボットなどの省力化技術を導入するための経費の一部を補助する制度です。

この補助金は、簡易で即効性のある省力化投資を促進し、中小企業の付加価値額や生産性を向上させ、賃上げにつなげることを目的としています。
省力化投資補助金について、具体的な公募内容は以下のコラムで解説しています!

【2024年新設】省力化投資補助金とは?公募内容を徹底解説!


なぜ介護業界は省力化補助金の対象外なのか

介護や医療業界が省力化投資補助金の対象外となる理由

介護や医療業界が省力化投資補助金の対象外となる理由は、公的な診療報酬を受けている業種が、補助金を受け取ることで国から二重に資金を受け取っているとみなされるためです。
この二重請求の問題を避けるため、これらの業種は補助金の対象外とされています。

製品カテゴリにおける対象業種の設定について

製品カテゴリにおける対象業種の設定は、補助金制度の公正性と適正な運用を確保するために行われます。製品販売事業者は、製品を登録する際に、この設定に従って対象業種を選定する必要があります。

対象業種リストに介護業界は含まれていない

「省力化補助金」の補助対象となる製品が掲載されている製品カタログには、製品カテゴリと、カテゴリにおける対象業種が設定されています。
製品カテゴリにおける対象業種の設定は、補助金制度の公正性と適正な運用を確保するために行われます。
製品販売事業者は、製品を登録する際に、この設定に従って対象業種を選定する必要があります。

実際に省力化投資補助金の対象業種リストには、介護業界が含まれていません。
これを見ても、「介護施設」などの介護業界は省力化投資補助金の対象外であるということがわかります。

例外としてIT導入補助金が認められている理由

例外として、介護や医療業界で認められている補助金は「IT導入補助金」のみです。これは、IT導入補助金が業務効率化やサービス向上を目的としており、公的診療報酬の二重請求に直接関与しないためです。

介護業界が使える補助金「IT導入補助金」とは

「IT導入補助金」は、業務の効率化やDXの推進、セキュリティ対策に向けたITツール等の導入費用を支援する補助金です。

「IT導入補助金」を使った場合、約16,000円のITツールが自己負担約4,000円で導入できます。
この補助金にはいくつかの枠があり、申請者は自社の目的にあったコースを選んで申請します。

介護施設がIT導入補助金を活用する際、たとえばなかなかご家族に会えない利用者様とオンライン上で面会ができるツールや、シフト管理・業務管理ツール、PC・タブレットなどの他、介護記録・管理ツールや訪問介護ツールなどの業種に固有したツールも対象です。

これらのツールは、介護業界の特有の経営課題に対応し、業務の効率化とサービスの質の向上を支援します。
IT導入補助金について、具体的な内容は以下のコラムをご覧ください!

【2024年最新】IT導入補助金とは?専門家が解説してみた!

介護業界で「IT導入補助金」を利用して導入できるツール

「IT導入補助金」は、経営課題の解決につながるソフトウェアやハードウェアが補助対象になります。IT導入補助金の枠ごとに補助対象経費が異なるため、導入したいITツールに合わせて枠を選びます。

「IT導入補助金」で対象のITツール

「IT導入補助金」の補助対象となるITツールは、事務局より認定されたITツールに限られます。
対象ITツールは枠によって異なります。

通常枠

  • 供給・在庫・物流に関するソフト
  • 顧客対応販売支援に関するソフト
  • 総務・人事・給与・労務に関するソフト

インボイス枠

  • PC・タブレット・レジ・発券機などのハードウェア
  • 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトに関するソフト など

介護業種固有の機能を持つソフトウェアの例

IT導入補助金では、全業種が対象となる汎用的なソフトウェアだけでなく、介護の業種固有の機能を持つソフトウェアの導入も可能です。

  1. 介護記録・管理ツール
    • 介護記録や転機作業の書類作成をクラウドで一括管理。
    • 情報を集約し、重複を防止。
  2. クラウドケア管理ツール
    • クラウド上でケア記録を管理。
    • タブレットからの入力や勤怠管理機能を提供。
  3. 訪問介護管理ツール
    • 訪問介護のサービス実施状況をスマホから報告。
    • リアルタイムで進捗を確認し、訪問先の漏れ防止。
  4. 訪問介護プランニングツール
    • 訪問介護先の見取り図や家族構成、障害部位などの情報を管理。
    • 利用者に合わせた介護サービスのプラン作成が可能。
  5. 介護請求・計画管理ツール
    • 介護請求機能や介護記録の管理、介護計画の作成を支援。
    • クラウド対応でテレワークにも利用可能。

これらのツールは、介護業界の特有の経営課題に対応し、業務の効率化とサービスの質の向上を支援します。
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介護業界の「IT導入補助金」活用事例

A社の活用事例

ある福祉サービス事業所では、障がいを持つ子どもたち向けに多様なプログラムを提供し、親御さんの負担を軽減するため365日運営されています。

コロナ禍で急変したコミュニケーション

新型コロナウイルス感染症による運営危機をオンライン療育で乗り切るため、IT導入補助金を活用し、各事業所にパソコンやiPad、Zoomなどのオンライン会議システムを導入。オンライン療育により子どもたちとのコミュニケーションが再開し、ストレス軽減に効果がありました。

IT導入による効果

リモート会議により資料の共有がGoogle Driveで行われ、ペーパーレス化が進みました。
また、Zoomを通じて事業所間の交流が保たれ、職員同士の結束力が高まりました。WEB面接により、遠方からの応募者も増加しました。

導入設備

  • パソコン:各事業所に1〜2台ずつ(計6台)
  • iPad:各事業所に2台ずつ(計10台)
  • Zoomなどのオンライン会議システム
  • 通信環境を良好にするためのVPN接続機器


B社の活用事例

介護業務支援ソフトのクラウド化で業界の悩みである「時間」と「人手不足」を解消。
ある介護施設では、クラウド型の介護業務支援ソフトを導入し、テレワーク環境を整備することで、柔軟な働き方を実現しました。
これにより、業務の停滞や人手不足を解消されました。

抱えていたお悩み

地域社会に寄与する活動を止めることなく、社内業務の負荷を減らすにはどうすればいいかという悩みがありました。
導入したITツール
『ほのぼのNEXT』OL NEXT 連携使用権パック(看護小規模連携型)

効果

  • テレワークの実現: ノートPCがあればどこでも社内業務が可能になり、柔軟な働き方が実現。
  • 従業員の採用・定着: 短時間勤務を希望する従業員を在宅勤務で採用し、人材の確保・定着に成功。
  • データ保全: クラウド上でデータを管理することで、災害時のデータ保全が安心。

これらの事例は以下公式サイトに掲載されています!
IT導入補助金2024公式サイト「活用事例」

公募要領をよく確認

補助金申請においては、必ず申請する公募回の公募要領を詳細に確認することが重要です。
公募要領には、申請のための具体的な手順や必要な書類、対象となる経費などが詳しく記載されています。

疑問点は事務局や専門家に確認

補助金申請において、対象経費や申請手続きに関する疑問点が生じた場合は、必ず事務局や専門家に確認することが重要です。
曖昧なまま申請を進めると、不適切な申請となり、補助金が受けられない可能性があります。事前に確認を行い、正確な情報をもとに申請を進めるようにしましょう。

まとめ

省力化投資補助金は、残念ながら介護業界は対象外となります。
介護業界に向けた支援制度の活用や、今回ご紹介したIT導入補助金などの活用をし、業務の効率化や事業の発展を目指しましょう。

補助金の申請はご相談ください!

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新しく始まる補助金なので不透明な部分が多いという不安があるかもしれませんが、申請に不利となる漏れや不備がないように徹底サポートいたしますのでご安心ください。
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