「省力化補助金」カタログ登録の方法を解説!【製造事業者向け】

「省力化補助金」で自社製品を販売するためには、まず製品カタログの登録が必要です。登録の大まかな流れは、製造事業者と製品の要件確認、省力製品の価格設定、必要書類の準備です。本コラムでは「省力化補助金」にカタログ登録できる製造事業者の条件や、省力製品の要件などを解説します。
梅沢 博香

公開日:

更新日:

製造事業者向け!「省力化補助金」カタログ登録の方法を解説!

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

「省力化補助金」カタログ登録とは?

「省力化補助金」(正式名称「中小企業省力化投資補助事業」)のカタログ登録とは、製造事業者が自社製品を「省力化補助金」の製品カタログに登録することです。
「省力化補助金」の申請者は製品カタログに掲載された製品の中から、導入する製品を選びます。
省力化製品を取り扱う製造事業者は、カタログ登録をすることで、自社製品の販売機会を増やす等のメリットがあります。

2024年最新!「省力化補助金」が3分で分かるコラムはこちら!

製造事業者がカタログ登録をするメリット

製造事者がカタログ登録をするメリットとして、以下2点が挙げられます。

  • 販売機会が増える
  • 製品・会社の知名度が上がる

販売機会が増える

「省力化補助金」では、申請者は製品カタログから製品を選び、自己負担を抑えて導入できます。
これにより、金銭的な負担が減り、販売機会が増えます。

製造事業者にとって、失注の大きな理由はコストですが、補助金があることでその不安が軽減され、失注を防ぎやすくなります。
結果として、契約獲得の可能性が高まります。

製品・会社の知名度が上がる

製品カタログに自社製品を掲載すると、顧客に見てもらえる機会が増え、製品や会社の知名度が上がります。

カタログ登録できる製造事業者の条件

カタログ登録ができる製造事業者として、以下の「製造事業者の登録要件」が定められています。

製造事業者の登録要件

  • 基本的事項
  • 経営基盤に関する事項
  • 供給・サポート体制に関する事項
  • 事業実施時等の対応に関する事項

基本的事項

  • 登録申請時点において、日本国内で法人登記され、国内で事業を営む法人であること
  • パートナーシップ構築宣言について、登録申請時点においてポータルサイトにおいて宣言を公表している事業者であること。または速やかに宣言を実施すること 等

ポータルサイト

経営基盤に関する事項

  • 登録期間中、製品の生産を継続して行えると判断するに足る十分な経営基盤を有していること

供給・サポート体制に関する事項

  • 登録した省力化製品のそれぞれについて、登録要領に規定する供給・サポートが行える体制を確保すること 等

事業実施時等の対応に関する事項

  • 本事業の公募要領等に記載の内容を遵守することができること
  • 登録申請に必要な情報を入力した書類を必ず提出すること 等
「省力化補助金」カタログ型は個人事業主も対象?

カタログ登録できる製品

カタログ登録できる製品は、承認カテゴリ一覧に掲載された対象カテゴリのみです。
例えば、食券の券売機は承認カテゴリに「発券機」があるためカタログ登録可能ですが、介護ロボットは対応する承認カテゴリがないため登録できません。
また、カタログ登録できる製品として、以下の「製品登録要件」が定められています。

「省力化補助金」の製品カタログとは?

製品登録要件

  • 概要事項
  • 製品性能及び価格に関する事項
  • 供給体制に関する事項
  • サポート体制に関する事項

概要事項

  • 汎用製品であり、開発等を前提としないものであること
  • 販売が開始されており、製造・販売された実績を5社以上有していること
  • 定義や概要、業務範囲や業務機能等の仕様、外縁が明確化されており、事前に登録された製品カテゴリに属することが分かること 等


製品カテゴリとは、製品カタログに記載されている製品のカテゴリの分類を指します。
「清掃ロボット」「自動倉庫」等10以上のカテゴリに分類されており、カテゴリは随時追加されています。
製品カタログをチェックする!

製品性能及び価格に関する事項

  • 販売する価格は経済的合理性があり、市場価格を逸脱していないこと
  • 製品本体の価格は50万円以上であること。また、本補助金の補助上限金額に比して著しく高額のものでないこと
  • 製品が属するカテゴリにおいて、中小企業等の業種や規模に応じた省力化の指標が設定されている。これらの指標に基づいて省力化の効果を計算し、少なくとも一つ以上の指標で設定された基準値を上回ること 等

供給体制に関する事項

製造事業者には、以下2点の体制を整える必要があります。

  • 信頼できるサプライチェーンの確保
  • 量産体制と在庫の確保

信頼できるサプライチェーンの確保

  • サプライチェーン(供給の流れ)の信頼性や持続可能性を確保するために、調達(材料を手に入れること)や供給の現状を把握し、安定した供給体制を作る取り組む

量産体制と在庫の確保

  • 量産体制(たくさん作る仕組み)が確保されている、または一定数の在庫(商品)が確保されている等、供給や生産の体制が整っている
  • 発注から12ヶ月以内に納品、検品、支払いを完了し、補助金の実績報告ができるようにすること

サポート体制に関する事項

製造事業者には、以下2点の体制を整える必要があります。

  • 全国にサポート体制があることを証明する資料を提供し、製品の耐用年数期間内に運用障害が発生した場合、販売代理店も含めて修理やサポートの支援を提供することを誓うこと
  • 日本全国に省力化製品の保守・修理・サポート体制を整え、補助金を受けた事業者が導入した省力化製品に運用障害が発生しないように、メンテナンスと管理を徹底すること

カタログ登録できない製品

以下のようなカタログ登録できない条件が定められているので、登録前に必ずご確認ください。

  • 恒常的に利用されないことが想定されるもの
  • 製品が完成されておらず、開発が必須となると想定されるもの
  • ソフトウェアのみであり、それ専用の製品等を必要としないもの 等


カタログ登録の対象となる製品に関しては、「省力化製品・製造事業者登録申請の手引き」をご覧ください。
「省力化製品・製造事業者登録申請の手引き」はこちら!

カタログ登録の手順

カタログ登録までの大まかな流れは「製品・製造事業者登録→カタログ登録」です。
製品・製造事業者登録は、初回の製品登録時のみです。1度登録完了されたら、2回目以降の申請は不要です。

製品・製造事業者登録の流れ

1.工業会に登録申請を提出
指定された書類を電子データで工業会へ送付します。
工業会に属していなくても製品登録は可能です。

提出書類は以下2種類です。

  • 申請書類(製品審査申請書一式)
  • 添付書類(製品・製造事業者に関する書類)

申請様式は公式サイトからダウンロードできます。
また、製品カテゴリによって申請書類が異なるのでご注意ください。
提出書類の詳細については手引きの22ページで確認できます。
カタログ登録に必要!履歴事項全部証明書をPC・スマホで注文する
2.工業会、事務局が審査を行う
申請書類をもとに工業会が製品性能審査、事務局が申請要件審査を行い、最終的に外部委員会・中企庁が承認をします。
内容に不備があれば製造事業者に差し戻されるので再提出をします。
3.証明書が発行される
工業会から証明書が発行され、製品・製造事業者登録が完了します。

カタログ登録の流れ

事務局がカタログ申請用アカウント発行し、公式サイトからカタログ申請作成・提出します。
事務局が内容確認を行い製品カタログ登録完了します。
カタログ登録には、製品・製造事業者登録で工業会から発行された証明書が必要です。
「省力化補助金」公式サイト
「省力化補助金」製造事業者向けページ