近年、政府は2050年に向けた「カーボンニュートラル」に力を入れており、そのための省エネ住宅や電気自動車などへの補助事業を手厚く行っています。
そのため、新築住宅を購入する際に、「省エネ住宅」を選択することで、利用できる補助金が幅広くなり、経済的なメリットを得ることができます。
「省エネ住宅じゃなきゃ補助金を使えないんでしょ?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、現在ではハウスメーカーが新築する注文戸建住宅においては、約56%ほどがこの「省エネ住宅」と呼ばれる住宅に当てはまりますので多くの人が補助金の対象者となります。
今回は、2024年版の新築住宅に使える補助金をご紹介します!
【2024年度】新築住宅に使える補助金一覧!最大限活用する方法は?
2024年度、新築購入に使える補助金は?知っておきたい新築住宅の補助金一覧をご紹介します!
新築購入補助金1.子育てエコホーム支援事業
「こどもエコ住まい支援事業」に続き、創設された「子育てエコホーム支援事業」とはエネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的としています。
「子育てエコホーム支援事業」の補助対象は、高い省エネ性能を有する住宅の新築、一定のリフォームが対象です。事業者が申請を行います。
具体的には以下の項目が補助の対象となります。
■子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築
(1)長期優良住宅
(2)ZEH住宅
■住宅のリフォーム
(1)住額の省エネ改修
(2)住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等
上記の(1)および(2)が新築住宅の補助金となります。
補助額
長期優良住宅が一戸あたり100万円、ZEH住宅が一戸あたり80万円です。
「長期優良住宅」に100万円の補助
「長期優良住宅」とは:建物の品質や省エネ性能が高く、長期間にわたり資産価値が維持される高品質な住宅。
具体的には、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、以下の5つの要件を満たした住宅のことを指します。
A. 長期にわたり使用できる構造と設備を有していること
B. 居住環境への配慮が行われていること
C. 一定面積以上の住戸面積を有していること
D. 維持保全の期間と方法が定められていること
E. 自然災害への配慮が行われていること
この制度は、平成21年6月4日から新築住宅を対象に開始され、その後平成28年4月1日からは既存住宅の増築・改築も認定対象となり、令和4年10月1日からは建築行為を伴わない認定も開始されました。認定された住宅は法的な支援や優遇が受けられる制度です。
「ZEH住宅」に80万円の補助
「ZEH住宅」とは:ゼロエネルギーを目指し、年間のエネルギー消費量がほぼゼロに近い住宅。
経済産業省では、お得でZEHの普及を目指し各種政策に取り組んでいます。その結果、2020年のハウスメーカーが新築する注文戸建住宅においては、約56%がZEHとなりました。
つまり、今から建てる半数以上の住宅はこの「子育てエコホーム支援事業」の対象となります!
出典:資源エネルギー庁「省エネ住宅」
子育てエコホーム支援事業では、新築購入で、「(1)長期優良住宅」もしくは「(2)ZEH住宅」を取得する場合、80~100万円の補助の対象となります!
補助額、条件、開始時期など具体的な内容は、以下のコラムをご覧ください。
子育てエコホーム支援事業についてのコラム
新築購入補助金2.地域型グリーン化事業
「地域型住宅グリーン化事業」とは、特定の条件を満たす世帯を対象に、省エネ性能に優れた木造住宅を新築する際や既存住宅の省エネ改修を行う際に補助金を提供する事業です。
地域型グリーン化事業は、国土交通省、住宅部門の2024年度(令和6年度)予算に組み込まれており、引き続き公募が行われる予定です。
対象者:
子育て世帯
家庭に18歳未満の子供がいる世帯。
若者夫婦世帯
夫婦のうちどちらかが39歳以下の世帯。
支援対象:
- 認定長期優良住宅
- 認定低炭素住宅
- ZEH・Nearly ZEH
- ZEH Oriente
+【加算措置】 (1)~(4)の併用が可能
(1)地域材加算 :柱・梁・桁・土台の過半又は全てに地域材を使用
(2)和の住まい加算:地域住文化加算
(3)三世代同居加算/若者・子育て世帯加算 :玄関・キッチン・浴室又はトイレのいずれか2つを複数箇所設置 ・40歳未満の世帯又は18歳未満の子を有する世帯
(4)バリアフリー加算 :バリアフリー対策を実施
補助限度額
140万円/戸 等
この事業は、地域の中小工務店による持続可能な住宅開発を奨励し、子育てや若者の住まいに焦点を当てた取り組みとなっています。
参考:国土交通省 令和6年度 住宅局 関係予算概算要求概要
新築購入補助金3.LCCM住宅支援事業
出典:国土交通省 令和6年度 住宅局 関係予算概算要求概要
「LCCM住宅」は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)よりも一歩進んで、建設、運用、廃棄の各段階でできるだけ二酸化炭素(CO2)の排出を抑え、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用して、住宅全体のライフサイクルにおいてCO2の収支をマイナスにする先進的な住宅です。
具体的には、建設時から廃棄時まで、CO2の排出を極力減少させる工夫が施されています。
また、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用することで、住宅のエネルギーの一部を自家発電し、CO2の削減に寄与します。その結果、住宅のライフサイクル全体で考えた際に、CO2の排出が少なくなり、持続可能な住まいの実現に寄与しています。
補助額
140万円/戸 共同住宅 75万円/戸
事業要件
(1)強化外皮基準(ZEH水準の断熱性能)を満たすもの
(2)再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が現行の省エネ基準値から25%削減されているもの
(3)ライフサイクルCO2の評価結果が0以下となるもの など
住宅ローン控除で13年の減税!仕組みは?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、最大13年間、 各年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税額等から控除する制度です。
※所得税から控除しきれない場合、翌年の住民税(上限:9.75万円)から控除
この制度は、自分の住まいとして使用する住宅を手に入れるための支援として提供されており、所得税額から一定額が差し引かれることで、住宅購入や新築の際の経済的な負担を軽減することができます。
消費税が8%から10%に増税されたことで、住宅ローン減税の期間が13年に延長され、これにより増税前の10年から更に3年間、最大で455万円の減税メリットが生まれました。
新築住宅を購入する際には、この控除を有効活用して家計の節約に貢献しましょう。
自治体向けの補助金で上乗せも可能!
一部の自治体では、新築住宅をバリアフリーなどの要件を満たすように建設する場合に、追加の補助金が支給されることがあります。
たとえば、令和5年度、東京都では都内で新築される東京ゼロエミ住宅に対して、経費の一部を一戸建ての場合最大210万円助成(追加の助成あり)する「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」を行っています。
※「東京ゼロエミ住宅」とは、高い断熱性能の断熱材や窓を用いたり、省エネ性能の高い照明やエアコンなどを取り入れた、人にも地球環境にもやさしい都独自の住宅です。
この東京都の助成事業は、今回ご紹介した、「子育てエコホーム支援事業」や「地域型グリーン化事業」との併用が可能で、そういった自治体の補助金・助成金を活用することで、国の補助金に上乗せして補助金を受給することが可能となります。
各自治体の要件を確認し、地域社会への貢献とともに補助金を最大限活用しましょう。
まとめ
新築住宅購入は一生に一度の大きなイベントです。
今回ご紹介した補助金を利用することで、より経済的かつ持続可能な住まいを手に入れ、将来にわたって安心して生活できる環境を整えましょう。
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