【2025年版】給湯器補助金の申請方法と対象商品は?
本記事では、給湯省エネ2025事業の概要から、給湯器補助金の対象製品・申請方法・必要書類・注意点までわかりやすく紹介しています。高効率給湯器の導入を検討中の方は、給湯器補助金を活用してお得に省エネリフォームを進めましょう。

この記事を監修した専門家

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
給湯器補助金(給湯省エネ2025事業)の概要
「給湯省エネ2025事業」は、高効率給湯器の導入を支援する国の補助金制度です。エネルギーの使用量が多く、家庭の中でも特にCO₂排出の割合が高い給湯分野において、省エネ性能の高い製品への買い替えを促すことで、環境負荷の軽減と家庭の光熱費削減を同時に実現することを目的としています。
対象となる機器は以下の3種類です。
- エネファーム(家庭用燃料電池)
- エコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯器)
- ハイブリッド給湯機(ガスと電気を組み合わせた給湯器)
これらの給湯器は従来の機器と比べて効率が大きく向上しており、導入することでエネルギー消費量やCO₂排出量を大幅に削減できます。
この事業は、国が主導する「住宅省エネ2025キャンペーン」の一環として実施されており、こどもエコすまい支援事業や先進的窓リノベ事業と並ぶ3本柱の1つとして位置付けられています。住宅全体の省エネ性能向上を総合的に支援する中で、特に給湯設備の更新を後押しするのが「給湯省エネ2025事業」です。
補助対象の機器や工事には一定の要件が定められており、補助金の申請には「登録事業者」による施工が必要となる点にも注意が必要です。
給湯器補助金の対象給湯器と補助額
「給湯省エネ2025事業」では、省エネ性能の高い家庭用給湯器の導入に対して補助金が交付されます。対象となる給湯器は以下の3種類で、それぞれの機器ごとに定められた金額が支給されます。
対象となる給湯器と補助金額
給湯器の種類 | 補助金額(1台あたり) | 特徴 |
エコキュート(ヒートポンプ給湯機) | 6~13万円 | 空気の熱を利用してお湯を沸かす省エネタイプ。電気代が大幅に削減できる。 |
ハイブリッド給湯機 | 8~15万円 | ガスと電気を効率よく組み合わせた給湯機で、寒冷地にも対応しやすい。 |
エネファーム(家庭用燃料電池) | 16~20万円 | 都市ガスやLPガスから電気とお湯を同時に作る高機能型。 |
機器要件による加算措置もあり
補助金額は、機器の性能や要件によって加算される場合があります。要件は以下の3つに分かれ、条件に合致する場合、それぞれの基準に応じて上限額に近い金額の補助を受けられます。
- A要件:年間給湯効率などの基本性能
- B要件:外気温対応や給湯量の制御など、より高度な省エネ性能
- C要件:再熱性能や多機能性などの追加機能
要件を多く満たすほど、補助額が上乗せされる仕組みです。
蓄熱暖房機や電気温水器の撤去でさらに加算
既存の非効率な機器(蓄熱暖房機、電気温水器など)を撤去する場合、最大8万円/台の追加補助を受けることができます。撤去費用の負担が軽減されるため、古い給湯設備を更新したい方には特にメリットの大きい制度です。
給湯器補助金の補助対象となる条件
「給湯省エネ2025事業」の補助金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
1. 登録された「給湯省エネ事業者」との契約
補助対象となる工事は、事前に本事業へ登録された「給湯省エネ事業者」との契約に基づいて実施される必要があります。この登録事業者は、建築事業者、販売事業者、または工事施工業者であり、消費者が直接申請することはできません。
2. 対象となる高効率給湯器の導入
補助の対象となるのは、以下の高効率給湯器のいずれかを導入する場合です。
- 家庭用燃料電池(エネファーム)
- ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
- 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)
これらの機器は、定められた性能要件を満たし、事務局に補助対象製品として登録されている必要があります。
3. 既存住宅の購入に伴う給湯器の交換
既存住宅を購入し、既存の給湯器から補助対象製品への交換設置を行う場合も補助の対象となります。この場合、不動産売買契約やその特約において、給湯器の交換が条件として明記されている必要があります。ただし、未使用の対象機器が既に設置されている既存住宅を購入する場合は、機器の交換に該当しないため、補助対象外となります。
給湯器補助金の補助対象となる商品
給湯省エネ2025事業では、すべての給湯器が補助対象となるわけではありません。補助金を受け取るためには、国が定めた性能基準を満たした「登録製品」であることが必要です。
主な対象メーカーと製品
現在、以下のような主要メーカーの製品が補助対象として登録されています(2025年4月時点)。
- ノーリツ(NORITZ)
- アイシン(AISIN)
- リンナイ(Rinnai)
- コロナ(CORONA)
- ダイキン(Daikin)
- 京セラ(KYOCERA)
- 東芝ライテック(TOSHIBA)
- パナソニック(Panasonic)など
各メーカーが展開するエコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームの中で、所定の省エネ基準をクリアし、「補助対象製品一覧」に掲載されている型番のみが対象です。
対象製品の確認方法
補助対象となる機種かどうかを確認するには、以下の公式ページから検索できます。
補助対象製品の検索(公式サイト)
型番やメーカー名で検索ができ、対象かどうか、適用される要件(A要件・B要件・C要件)も一目でわかるようになっています。
補助金の申請では「対象製品であること」が大前提となるため、購入前に必ず型番を公式リストで確認しましょう。見た目が同じでも、性能の違いで対象外となるケースもあります。
給湯器補助金の申請の時期と流れ
「給湯省エネ2025事業」の補助金を受けるためには、所定のスケジュールに沿って申請を行う必要があります。申請期間や流れをしっかり押さえておきましょう。
申請受付期間:2025年3月31日~12月31日まで
※ただし、予算が上限に達し次第、受付終了となります。
補助金の枠には限りがあるため、早めの対応が重要です。
補助金申請の基本的な流れ
- 予約申請(登録事業者が実施):まず、補助金を希望する旨を「予約申請」として事務局に伝えます。この段階ではまだ工事着手はできません。
- 本申請(登録事業者が実施):予約が受理されたら、契約内容や補助対象製品の情報をもとに本申請を行います。
- 工事着手:補助金事務局の承認を受けた後、工事を開始します。事前に工事を始めると補助対象外になるので注意が必要です。
- 工事完了・証憑の取得:給湯器の設置完了後、必要な証明書や写真などを準備します。
- 完了報告・必要書類の提出:登録事業者が補助金交付のための「完了報告」を提出します。本人(施主)が提出する必要はありません。
- 補助金交付:内容に問題がなければ、補助金が指定口座に振り込まれます。
申請は登録事業者が代行
申請手続きは、「給湯省エネ事業者」として登録された業者が代行します。個人での申請はできません。購入・工事の相談は、必ず登録事業者に依頼するようにしましょう。
給湯器補助金の申請の必要書類
給湯省エネ2025事業では、補助金を受け取るために所定の書類を提出する必要があります。書類は主に登録事業者が代理で提出しますが、申請者本人にも確認や提出協力を求められる場合があるため、事前に準備しておくと安心です。
主な必要書類一覧
書類名 | 内容・目的 |
工事契約書のコピー | 登録事業者と締結した契約内容を確認するために必要です。補助対象機器が含まれていることが記載されている必要があります。 |
工事前後の写真 | 補助対象機器の設置前後の状態を確認するために必要です。撤去対象機器がある場合も撮影が求められます。 |
身分証明書(本人確認書類) | 補助金の交付対象者(申請者)が本人であることを確認するために必要です。運転免許証、マイナンバーカードなど。 |
補助対象製品の保証書または仕様書 | 製品が補助対象機器であることを証明するために必要です。対象製品リストに登録されている型番であることが求められます。 |
同意書(個人情報取扱い等) | 補助金申請に関する事務局への情報提供に同意する書面。記名・押印が必要となるケースもあります。 |
このほかにも、場合によっては振込先口座情報やリース契約書類(該当時)などが追加で求められることもあります。
書類の不備や不足は、申請の遅れや不受理の原因になります。書類の準備については、工事を依頼する登録事業者と事前にしっかり相談し、必要書類のチェックリストなどを活用して準備を進めましょう。
賃貸集合住宅の給湯器補助金について
「賃貸集合給湯省エネ2025事業」は、賃貸集合住宅に省エネ性能の高い給湯器を導入する際に活用できる補助金制度です。国が推進する住宅の省エネルギー化の一環として、集合住宅の給湯設備を効率的なものへと更新することを支援します。
対象となる給湯器
本制度では、以下のような高効率型のガス給湯器が補助対象になります。
- エコジョーズ(ガス潜熱回収型給湯器)
- エコフィール(石油潜熱回収型給湯器)
これらの給湯器は、従来型に比べて熱効率が高く、光熱費の削減やCO₂排出量の抑制に貢献します。
補助対象者と対象住宅
この事業の対象は「賃貸住宅のオーナー」や管理会社など、所有者・運営者に限られます。分譲マンションや戸建て住宅の所有者は対象外となるため注意が必要です。
また、補助対象となるのは、既存の集合住宅であり、戸数や使用する給湯器の台数などにも一定の要件があります。
補助金額(例)
補助金額は、設置される機器の種類や設置台数、追加の撤去工事の有無などによって異なりますが、例として以下のような水準です。
- エコジョーズ本体の設置:1戸あたり3万〜5万円程度
- エコジョーズ+追いだき機能付き:さらに加算
- 旧型機器の撤去費用:別途上限あり
※詳細な金額は公式サイトの交付要領をご確認ください。
2024年度からの主な変更点
- 申請受付が2025年3月31日から開始
- 申請は賃貸オーナー側が行うが、登録事業者が代行可
- 事前申請(予約申請)と事後申請(完了報告)の2段階制
- 導入する給湯器が「補助対象製品一覧」に掲載されていることが必須
申請手続きの流れ
- 賃貸オーナーが補助対象機器の導入を検討
- 登録された事業者と契約・予約申請
- 工事の実施(補助金交付決定後)
- 完了報告と必要書類の提出
- 補助金の交付
給湯器補助金と自治体の補助金は併用できる?
給湯省エネ2025事業による国の補助金とは別に、地方自治体が独自に実施している補助制度も数多く存在します。自治体によっては、給湯器の導入費用をさらに抑えられるチャンスがあるため、併用できる制度があるかどうかを確認しておくことが重要です。
代表的な自治体の補助金制度(例)
東京都:「東京ゼロエミポイント」
高効率な給湯器や省エネ家電の導入に対して、商品券やLED照明器具などと交換できるポイントを付与する制度です。対象製品には「エコキュート」や「エコジョーズ」などが含まれています。
神奈川県・大阪府・名古屋市など
自治体ごとに名称や補助内容は異なりますが、エコリフォーム支援事業や住宅省エネ化促進事業の一環として、給湯器の設置・交換費用に対する補助を設けている地域があります。
原則として、地方自治体の補助金と「給湯省エネ2025事業」の補助金は併用可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 自治体によっては国の補助金と併用できない場合もあるため、事前に必ず自治体のホームページで確認
- 補助対象となる機器や条件、申請時期も自治体ごとに異なるため、併用する際はスケジュール調整も重要
- 両方の補助金を利用する場合、申請窓口が別々になるため、手続きの流れを把握しておくことがスムーズな申請のカギ
給湯器補助金活用の注意点とポイント
「給湯省エネ2025事業」の補助金を確実に活用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。申請漏れや対象外となるのを防ぐためにも、以下の点に十分ご注意ください。
- 早めの申請準備が重要
- 登録事業者の選定がカギ
- 補助対象製品と要件を事前確認
1.早めの申請準備が重要
この補助金制度は、2025年12月31日までが申請期限とされていますが、予算上限に達し次第、受付が終了となる仕組みです。そのため、検討を先延ばしにしていると補助金を受けられない可能性があります。
特に人気の高いエコキュートやハイブリッド給湯機は早期に枠が埋まることがあるため、導入を検討している方は早めの行動が鉄則です。
2.登録事業者の選定がカギ
申請手続きは基本的に「給湯省エネ事業者」に登録された業者が代行します。業者選びの際は、次の点に注目しましょう。
- 補助金申請のサポートに慣れているか(実績があるか)
- 対象機器の選定や書類準備について丁寧に説明してくれるか
- 補助金分を一時的に立て替えてくれる(いわゆる「一括請求」対応)かどうか
信頼できる業者と契約することで、申請ミスのリスクを大きく減らすことができます。
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3.補助対象製品と要件を事前確認
補助金の対象になるには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 登録事業者による工事であること
- 対象製品リストに登録された型番であること
- 必要な性能要件(A・B・C要件)をクリアしていること
外見が似ていても性能が異なるだけで補助対象外になることがあるため、購入前に型番を必ず公式サイトでチェックしてください。
補助対象製品の検索(公式サイト)
監修者からのワンポイントアドバイス
本事業は昨年に引き続き今年も行われます。水道光熱費が高騰している中、補助金を活用して給湯器を導入することは非常にメリットがあります。機種により補助金額が異なる点に注意しましょう。また機器により加算もありますのでしっかり吟味すると良いと思います。