新事業進出補助金はグランピングでも利用できる?ポイントを解説!
2025年度新事業進出補助金の公募要領をもとに、申請方法や条件、補助金額などの重要ポイントを解説するほか、グランピング事業との関連性も伝えていきます。

この記事を監修した専門家

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
新事業進出補助金はグランピング事業でも利用できる?
新事業進出補助金は、グランピング事業にも前向きに利用できるとの見通しもあれば、難しいという見方もあり、賛否両論です。
簡単とはいえないものの、グランピング事業を営む事業者は、希望を持ってもよいでしょう。
2025年4月22日に公募が開始された新事業進出補助金の利用を考えている事業者の中には、グランピング事業を始めたい方も多いでしょう。
しかし、グランピング事業がこの補助金の対象になるか、また採択される可能性について不安を抱いている方もいるはず。
グランピング事業が新事業進出補助金で申請できるかどうかについては、現時点で完全にNGとは発表されていません。
ですから、グランピング事業を新事業進出補助金で始めたい場合は、申請の条件や審査基準をよく確認し、事業計画書を慎重に作成する必要があります。
また、他の事業と組み合わせる形で申請する方法も検討するとよいでしょう。
グランピング事業自体は、コロナ禍以降注目を集め、人気のアウトドア体験として成長しています。
しかし、新事業進出補助金での採択には高いハードルがあるため、申請を検討する際は慎重に計画を立てることが求められるでしょう。
グランピングビジネスの現状
グランピング事業は飛躍的に成長しています。
従来のキャンプスタイルを超えたラグジュアリーな宿泊体験を提供する新しい形態の観光業です。特に近年、国内外での市場拡大が期待されています。
観光庁の調査によると、インバウンド需要の増加に伴い、グランピング市場は急速に成長しているとのこと。
補助金の適用可能性も、0ではありません。グランピング事業は、新事業進出補助金の対象となる可能性があるとの声もあります。
これは、グランピングが新たな市場を創出し、地域活性化に寄与する事業であることが実証されているためです。
グランピングは、特に自然環境を活かした宿泊体験を提供することで、観光業界における新たな需要を生み出しているのです。
こうした新しいビジネスモデルは、補助金の目的である新市場への進出や事業の多様化に合致しており、企業がこの補助金を活用することで、初期投資を抑えつつ事業を展開することが可能です。
新事業進出補助金って何?
ここで新事業進出補助金の概念について押さえておきましょう。
新事業進出補助金とは、コロナ禍やその後の時代において、経済の変化に対応するために、新しい分野への挑戦や、今のやり方を変えようとする企業を助けるためのお金のサポートです。
例)
工場が違う種類の商品を作り始める
レストランがテイクアウトやオンライン販売を始める
こういった取り組みが新事業進出補助金の対象に該当します。
新事業進出補助金の補助金は、これまでのやり方ではなく、新しい方法に挑戦するために使えるお金を支給するための制度です。
参考:新事業進出補助金PDF
新事業進出補助金の目的は?
新事業進出補助金は、新規事業への挑戦を目指す中小企業の設備投資を促進するために創設されました。
たとえば、新しい商品を開発したり、新しいサービスを始めたり、違う市場に進出するための支援です。
これから新しく事業を始める予定の方にとって、対象となりやすい補助金と言えるでしょう。
もちろん、すでに事業を運営されており、新たな事業に取り組む方も対象となります。
新事業進出補助金の基本要件
新事業進出補助金の基本要件は、下記のとおりです。
1.付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
2.1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
3.事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準
4.次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。
まとめると、新たに行う事業がどのくらい成長できるのか、事業を行う際に従業員の賃金の増加が見込めるかといった要件が含まれます。
上記の要件を踏まえて、事業計画書や審査において説明ができるようにしておきましょう。
引用:新事業進出補助金PDF
新事業進出補助金の補助率・補助金額
新事業進出補助金では、以下のような補助金額が設定されています。
従業員数20人以下:最大2,500万円(最大3,000万円特例あり)/補助率1/2
従業員数21~50人:最大4,000万円(最大5,000万円特例あり)/補助率1/2
従業員数101人以上:最大7,000万円(最大9,000万円特例あり)/補助率1/2
従業員数51~100人:最大5,500万円(最大7,000万円特例あり)/補助率1/2
※特定の条件を満たす場合(大幅賃上げを達成する場合など)は、補助上限額が上乗せされることもあります。
参考:新事業進出補助金PDF
新事業進出補助金に申請する前に知っておきたいこと
新事業進出補助金に申請する前に知っておくべきポイントをご紹介します。
- 事前に準備が必要
- 全額がもらえるわけではない
- 不当な成功報酬に気をつける
- 契約のタイミングに注意しよう
- 新しい事業に使う資産だけが対象
事前に準備が必要
申請をするには、まずGビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。
これを取るのに時間がかかるので、早めに準備をしておくことが大切です。
全額がもらえるわけではない
新事業進出補助金に申請したからといって、最初に希望した金額が必ずもらえるわけではありません。
申し込んだら事務局で審査され、その後、補助金の金額が決まります。
審査員のさらなる調査により、補助金が少なくなることもあります。
不当な成功報酬に気をつける
新事業進出補助金の公募要領には、申請者をまもるためにも、高額な成功報酬を要求する悪質な業者についての注意喚起も記載されています。
新事業進出補助金への申請にあたり、今後外部の専門家にアドバイスをもらうこともあるでしょう。
実際、外部の専門家に協力してもらったほうが、正しくスムーズに申請が進みます。
ですが、専門家に手伝ってもらうと当然ですがお金がかかります。
それは当然なのですが、その際に高すぎる報酬を請求する業者がいるのです。
高額な請求金額だからといって悪質とは限りませんが、中には実績と金額が伴っていない業者もいるので、注意が必要です。
もし不安なことがあれば、相談窓口に連絡してください。
契約のタイミングに注意しよう
新事業進出補助金を使う前に契約をしてしまうと、その契約は補助金の対象にならなくなってしまいます。
実際に新事業進出補助金がもらえるのは、正式に決まった後に購入したものだけです。
新しい事業に使う資産だけが対象
新事業進出補助金で手に入れたものは、新しい事業に使わなければいけません。
別の事業に使うと、その分の返金をしないといけなくなるので、気をつけてくださいね。
新事業進出補助金の申し込み方法
新事業進出補助金に申し込むためには、電子申請システムを使います。
オンラインで必要な情報を入力して、申請を行ってください。
申請は代わりにやってもらうことができないので、申請者自身がやることが大事です。
新事業進出補助金を活用するためのコツ
新事業進出補助金の申請時には、事業計画書の作成が必要です。事業計画書は、以下のポイントを重視して作成してみましょう。
加点を得るための工夫をする→可能な限り加点を狙った計画を策定
独自性の強い事業計画を立てる→市場で差別化できる具体的な事業内容を示す
成長性と収益性を強調する→事業の成長性や収益性を裏付けるデータや根拠を示すと効果的
新事業進出補助金は多くの企業にとって魅力的な支援制度です。
申請に際しては、事業の成長性を明確に示し、補助金の条件に合った事業計画書を作成しましょう。
また、適用可能な特例を理解し、最大限活用することも成功のポイントとなるでしょう。

新事業進出補助金の公募要項についての確認
新事業進出補助金について知りたい情報は、公募要領にすべて出ていると考えていいです。
- 対象経費
- 対象事業者
- 申請スケジュール
- 申請の準備と必要書類
- 他の補助金と併用できる?
対象経費
新事業進出補助金では、事業の再構築に必要な経費が対象です。
具体的には、下記のものが含まれます。
- 建物費
- 運搬費
- 外注費
- 専門家経費
- 技術導入費
- 広告宣伝・販売促進費
- 知的財産権等関連経費
- クラウドサービス利用費
- 機械装置・システム構築費
参考:新事業進出補助金PDF
対象事業者
新事業進出補助金の対象となるのは、中小企業や個人事業主、企業組合などです。
特に、コロナウイルスの影響で売上が減少したり、経営が困難になっている企業が対象です。
こうした企業が、事業転換や新分野進出を行う際に補助金を受けることができます。
申請には、過去の売上データなどを提出し、現在の経営状況を証明する必要があるでしょう。
申請スケジュール
新事業進出補助金は、2025年4月22日から公募が開始しており、公募の申請締め切りが2025年7月10日の18時までとなっています。
また、予想ですが第2回公募はは2025年6月〜7月ごろ、第3回は2025年9月〜10月ごろ、第4回公募は2025年12月〜2026年1月ごろを予想しています。
申請期間中には、提出する書類や事業計画の内容についても確認が必要です。
事前に準備を整え、スムーズに申請を進めることが大切です。
申請期間には、事業計画の策定や必要書類の準備、GビズIDの取得なども必要なので、気を付けてください。
申請の準備と必要書類
新事業進出補助金の申請には多くの書類が必要です。
必要となる書類を下記にまとめました。
- 定款
- 申請書
- 決算書類
- 事業計画書
- 収支計画書
- 登記事項証明書
- 補助対象経費内訳書
- 事業実施体制説明書
- その他自治体や公募要領により必要な書類
主にこれらの書類が必要となります。自治体や公募要領によっては、上記以外の書類を求められることがあるため、申請時にしっかり確認しましょう。
必要書類を整理して提出することで、申請がスムーズに進むでしょう。
他の補助金と併用できる?
新事業進出補助金は、他の補助金と併用できます。
たとえば、ものづくり補助金との併用は可能ですが、内容が異なる事業であることが求められるでしょう。
しかし同一事業で複数の補助金を受けることはできません。
したがって、申請する際には、どの補助金が適用されるかをよく理解し、それぞれの条件を確認してくださいね。
監修者からのワンポイントアドバイス
新事業進出補助金は本年度から開始された新規の補助金です。補助金額も大きく注目度も高くなっています。
事業再構築補助金、ものづくり補助金などの採択実績が直近である場合は申請対象外となるケースもありますので応募できるかどうかをまずは確認されると良いでしょう。