省力化補助金の補助率とは?活用方法と最新情報を解説

省力化補助金の補助率や最新情報を解説します。 補助金を最大限に活用するためのポイントや事例も紹介しますので、ここで事業に最適な支援を得る方法を学びましょう!
井上 雅也

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省力化補助金 補助率

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

省力化補助金の「補助率」とは

下記は、省力化補助金の補助率などをまとめた表です。

補助対象補助上限額補助率
補助対象としてカタログに登録された製品等従業員数5名以下:200万円(300万円)1/2以下
同上6名〜20名:500万円(750万円)1/2以下
同上21名以上:1,000万円(1,500万円)1/2以下



※()内の数字は、賃上げ要件を達成した場合の金額
引用:中小企業省力化投資補助金(補助率及び補助上限額)

この表を見ると、省力化補助金の補助率は一律で1/2以下であることがわかります。

そもそも補助金とは、企業がお金を使う時、その支出の一部を国や地方自治体(市や県など)から補助してもらえる制度です。

この時、どれくらい支援してくれるのかを示すのが、補助率といいます。

少し難しく感じますが、簡単に言えば、お金を使う時、どれだけの部分を国が助けてくれるかの割合です。

国や地方自治体は、事業を支援するために経費の何割かを補助してくれます。

その割合を表す数字が「補助率」です。補助金を利用する際は、この補助率にも注目しておきましょう。

簡単な例でいえば、100円のものを買う時、国が50円を支援してくれた場合、補助率は50%、または1/2(半分)と表せます。

最初は本人が100円を支払ったとしても、後で国から補助金を受け取れば、実際に支払った100円の一部を返してもらえるのです。

これで実質的に自己負担は少なくなります。

補助金の計算法とは?

補助金は、どのように計算されて支給されるのでしょう。

たとえば、ある事業で100万円を使ったとしましょう。

もし、その補助率が50%だとすると、【100万円 × 50% = 50万円】が補助金に相当します。

事業者は100万円を使ったものの、そのうち50万円を補助金としてもらえることになり、実質負担金が減ることになるのです。

とはいえ、補助金には上限が指定されている場合もあります。

たとえば、補助金で支給される最大金額が30万円までだとすると、いくら経費が高くても、30万円以上は支給されません。

30万円以上出してくれと申請したとして、30万円以上は支給されないのです。してもらえない分は、実質事業者の負担となります。

補助金に上限金額がある場合は、その金額が優先されるのです。

補助率が高くなる時はどういう時?

補助率は、どれくらいその支援が必要かによって変わります。特別な理由がある場合は、補助率は高くなる傾向にあります。

たとえば、新型コロナウイルスなど感染症の影響で、事業や施設が特に困難な状況にあると仮定しましょう。

この場合、その施設の換気設備などに全額支給される場合があるのです。それは特別な状況下だからです。

支援を受ける側としては、補助金で全額カバーしてもらえるのでとても助かるはず。通常では、補助金が100%出ることは考えにくいです。

補助率のデータはどんな時役立つ?

実際、補助率のデータはどのように役立つのでしょうか。補助率の情報は、いくつかの大事なポイントで役立ちます。

  • 予算の計画を立てる時
  • 事業の実行可能性がわかる
  • 各補助金プログラムを比較できる

予算の計画を立てる時

補助金を申請する前に、補助率を知っていれば、どれくらい補助されるのか事前に見通しが立ちます。

これにより、事業にどれだけのお金を使えば良いのか、あらかじめ計画を立てることが可能です。

たとえば、経費の半分が補助されるとわかっていれば、その半分だけ自分で出せばいいと考えることができるので、無理なく予算を決められるでしょう。

事業の実行可能性がわかる

補助率が高いほど、自己負担金が減ります。

したがって、事業を実行するための費用負担が軽くなります。実際にその事業を進めやすくなるか、判断しやすくなるでしょう。

補助率が低いとその分自己負担金が増えるため、事業の実行が難しいと判断することもあります。

各補助金プログラムを比較できる

補助金にはいろいろなプログラムがあります。その中で、どのプログラムが自分の事業に最適か特定する時も、補助率はとても良い参考材料となります。

たとえば、Aプログラムは補助率が50%、Bプログラムは75%だとすると、より多くの支援が必要な場合はBのプログラムを選ぶでしょう。

このように、補助率を参考にすることで、どの補助金が利用しやすいか賢く決めやすくなります。

いろいろな補助率・計算方法の例

補助率について、具体的な例を挙げてみます。

例)
新しい機械を買うために、事業者Aは200万円が必要です。Aが申請する補助金の補助率が30%だとすると、計算式は以下の通りです。
200万円 × 30% = 60万円

この計算結果により、事業者は200万円を出した中で、60万円を補助金として受け取ることが可能だとわかります。

事業者は残りの140万円を自分で負担することになるでしょう。

仮に上限が設定されており、補助金の上限が50万円だとすると、補助金が60万円でも実際に受け取れるのは50万円に制限されます。

このように、補助率だけではなく、上限金額も考慮する必要があるのです。

省力化補助金の補助率について

補助金の中でも特に省力化補助金にフォーカスし、補助率を解説します。

中小企業省力化投資補助金の補助率は、最大50%と定められています。

補助金の上限額は、企業の従業員数によって異なってきます。

次の2点の条件を満たす事業者は、補助金の上限額が増える可能性があるので、有利です。

※補助事業の終了時に、達成予定の事業計画を提出する必要があります。

  • 申請時よりも給与支給総額を6%以上増やすこと
  • 申請時よりも事業場内最低賃金を45円以上増やすこと

ただし、賃金引き上げプランは、申請時に社員と共有済みであることが前提です。

さらに、自己の責任ではない正当な理由で賃上げの目標を達成できなかった場合補助金額が減額される恐れがあります。

給与支給総額をベースに計算することが不適切だとする特別な事情がある場合、給与支給総額の増加率の代わりに、一人当たりの賃金増加率を使って良いです。

中小企業省力化投資補助金の対象製品は、カタログに掲載されている省力化製品に限定されています。
参考:中小企業省力化投資補助金(公募要領PDF)

カタログ注文型と一般型の省力化補助金の違い

補助金 補助率
省力化補助金には、従来のカタログ注文型と、一般型があります。一般型は最近始まった比較的新しいタイプです。

2025年度から、省力化補助金に新たに「一般型」が加わり、より多くのニーズに対応できるようになりました。

一般型を選ぶとより多くの補助金を受けられ、企業はこれまで以上に省力化を検討しやすくなります。

ただし、補助金申請は手間がかかるため、サポートが必要な場合は補助金オフィスに相談することをおすすめします。

カタログ注文型

カタログ注文型では、中小企業庁が案内している製品カタログをベースとします。

そこに出ている省力化に役立つ製品(IoTやロボットなど)を使うための費用の一部を補助してもらえるのです。

対象製品は、自分で効率化ができる製品です。ソフトウェアや他の製品と組み合わせて使うものは対象外となります。
参考:中小企業省力化投資補助金(製品カタログPDF)

一般型

一般型は、企業の設備や業務内容に合わせて、省力化や自動化を進めるための設備やシステムの導入を補助します。

以前のものづくり補助金のオーダーメイド枠から移行したもので、生産性アップを目的としています。

一般型の特徴は下記の2点です。
補助率が増える
カタログ型では上限額が1500万円までと決まっていますが、一般型の上限は最大1億円までです。

ですから、より高い補助率を期待する事業者は一般型が適しています。早めに申請することがポイントです。
より多くの使途
カタログ型では選べる製品が限られていました。一般型では、企業のニーズに合わせて自由にカスタマイズして申請できるのです。

より自由性が高いのが魅力の一つ。

まとめると、カタログ注文型は従来の申請方式で、カタログから製品を選んで申請します。

申請の手順は簡単ですが、選べる製品は制限されており、必要とするものがカタログにない場合もあるでしょう。

これに対して新たに導入された一般型は、カタログ以外から必要な設備を自由に選んで導入できます。

柔軟性が高く、幅広い事業者が利用しやすいものです。ただし、申請内容が複雑になるため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
参考:中小企業省力化投資補助金(一般型)

省力化補助金補助金を最大限活用するためのポイント

最後に、省力化補助金申請を迅速で簡単に成功させるコツを紹介します。

省力化補助金の申請を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 特別枠を活用する
  • 専門の支援機関を活用する
  • 過去の採択事例を参考にする
  • 省力化補助金補助金は比較的簡単な補助金

特別枠を活用する

補助金には、通常枠に加えて採択率が高い特別枠が設けられている場合があります。

条件に合う場合は、特別枠を積極的に活用することで、採択の確率が高まるでしょう。

専門の支援機関を活用する

特に一般型の省力化補助金補助金申請は複雑で手間がかかることが予想されます。そのため、専門の支援機関を利用すると良いでしょう。

おすすめなのは、補助金申請に特化した税理士事務所や公認会計士に依頼することです。

書類作成や事業計画の策定をサポートしてくれるので、効率よく申請を進められます。

過去の採択事例を参考にする

過去に採択された事例を参考にすれば、申請書類や事業計画の作成のヒントが得られます。

成功した事例を分析し、どのような要素が評価されたのかを理解すれば、申請の精度を上げられるでしょう。

省力化補助金補助金は比較的簡単な補助金

一般型は手続きが煩雑とお伝えしましたが、ほかの補助金制度の中において、中小企業省力化投資補助金は比較的利用しやすいといえます。

ちなみに、中小企業省力化投資補助金は省力化補助金の一種ですが、省力化補助金には他の補助金制度もあります。

省力化補助金は、より広い意味での補助金の枠組みを指し、複数の種類(カタログ型や一般型など)があります。

中小企業省力化投資補助金もこの省力化補助金の一部ですが、省力化補助金全体には他にも異なる支援内容が含まれる場合がある点に留意してください。

中小企業省力化投資補助金は、特に中小企業が省力化や生産性向上を目指すもので、機械や設備を導入するための制度です。

製品カタログから製品を選んで申請するやり方は、比較的手続きが簡単といわれています。

製品カタログから製品を選び、販売事業者と共に申請するためです。

手続きの容易さを優先するのであれば、カタログ型がおすすめです。

そもそも、中小企業や小規模事業者向けの補助金は、書類作成や要件がシンプルな場合が多いといえます。

予算も大規模に組み込まれており、採択されやすいでしょう。

省力化や自動化を進める企業には有用な補助金なので、ぜひ検討してみてください。

省力化補助金補助金は、省力化や生産性向上を目的に、中小企業が機械や設備を導入する際に受けられます。

補助率は1/2で、最大1,500万円まで補助されます。

おわりに

補助率は、補助金をどれくらいもらえるかを示す大事な指標です。

申請する補助金の種類によって、支援を受ける割合が変わってきます。

あらかじめ補助率を計算しておけば、どれだけのお金を負担し、どれだけ支援を受けられるのかを把握できるでしょう。

補助率が高い場合は支援が多くなるので、事業を進めるのに有利になるので、しっかり確認しておいてくださいね。