【無担保融資の全て】担保付き融資との違いや選び方、事前準備を解説
融資を受ける際に、無担保の融資と担保付きの違いがしっかり理解できていると、安心して融資を受けられますよね。
今回は無担保融資をメインに、担保付き融資との違いや選び方を徹底解説します。
公開日:
更新日:
この記事を監修した専門家
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
無担保融資とは?
無担保融資とは、担保を提供せずに借りることができる融資形態です。以下で3つについて詳しく解説します。
- 無担保融資の基本概要
- 無担保融資のメリット
- 無担保融資のデメリット
無担保融資の概要
無担保融資は、借り手が担保を差し出さないため、迅速な資金調達が可能です。また、担保の用意が不要なため、借り手のリスクが軽減されます。
たとえば、急な資金が必要な中小企業や個人事業主が、無担保融資を利用して設備投資や運転資金を調達するケースがよく見られます。
無担保融資は、担保なしで迅速に資金を調達できる便利な手段です。
参考:三井住友銀行(無担保ローンとは?)
無担保融資のメリット
無担保融資には、担保を提供せずに資金調達ができる大きなメリットがあります。
担保を用意する手間がかからないため、資金が急に必要な場合でも、速やかに対応できる点が魅力です。
また、担保の価値に依存しないため、手元に担保を持っていない企業や個人にも利用しやすいです。
具体的には、手元に担保となる不動産や有価証券がない個人事業主が、急な事業拡大のために無担保融資を利用することで、スピーディに資金調達を行えます。
無担保融資は、迅速かつ柔軟に資金を調達できる、借り手にとってメリットの多い融資方法です。
無担保融資のデメリット
無担保融資には、金利が比較的高いというデメリットがあります。
担保がないため、貸し手にとってのリスクが高くなる結果、金利が高く設定されがちです。また、信用力のある借り手でも限度額が低くなる場合があります。
よくあるケースだと、無担保融資を受けた企業が高金利の返済負担に悩むケースや、希望する額を借りられず資金繰りに苦労することが報告されています。
無担保融資は便利ですが、金利の高さや融資額の制限を考慮して利用しましょう。
担保付き融資の特徴
次に担保付き融資の特徴と比較します。
担保付き融資とは?
担保付き融資とは、借り手が担保を差し出して資金を借りる形態の融資です。
担保を提供することで、貸し手はリスクを減らし、借り手に対してより有利な条件で融資を提供することが可能になります。
具体的には不動産を担保として提供することで、低金利で高額な融資を受けることができます。
担保付き融資は、担保を提供する代わりに、より有利な条件で資金調達ができる方法です。
担保として利用できる資産の種類
担保として利用できる資産には、さまざまな種類があります。
一般的に不動産や有価証券、機械設備などが担保として利用され、貸し手はその資産の価値を基に融資額を設定します。
自宅や商業ビルを担保にして資金を借りる場合、不動産の価値に応じて融資額が決定されます。また、有価証券を担保とすることも可能です。
担保には、複数の資産種類があり、状況に応じて最適な資産を選んで利用することが重要です。
担保付き融資のメリット
担保付き融資には、借り手にとっていくつかの重要なメリットがあります。
担保を提供することで、金利が低く抑えられる可能性が高く、借り手にとって返済の負担が軽減されます。
また、担保の価値に応じて高額な融資を受けることができ、資金調達の幅が広がります。
不動産を担保にすることで、無担保融資よりも低金利で融資を受けられ、大規模な事業資金の調達が可能となるケースがよくあります。
担保付き融資は、低金利と高額融資という借り手にとって大きなメリットがあります。
担保付き融資のデメリット
担保付き融資には、いくつかのデメリットがあります。
主なデメリットは、返済が滞った場合に担保が差し押さえられるリスクがあることです。
また、担保の価値が下がると、追加の担保を要求される可能性もあります。さらに、手続きが複雑で、審査に時間がかかることが多いです。
担保として提供した不動産の価格が市場の変動によって下落した場合、借り手は追加の担保を求められることがあり、返済が困難になる可能性があります。
担保付き融資は、返済リスクや手続きの煩雑さといったデメリットがあるため、慎重に検討する必要があります。
無担保融資と担保付き融資の違い
ここでは無担保融資と担保付き融資の違いを解説します。
金利の違い
まず無担保融資と担保付き融資では、金利に大きな違いがあります。
無担保融資は担保がない分、貸し手にとってリスクが高くなるため、その分金利が高く設定されることが一般的です。
一方、担保付き融資では担保を提供することで貸し手のリスクが軽減されるため、金利が低く抑えられる傾向があります。
無担保融資では10%を超える高金利が適用されることがあるのに対し、担保付き融資では3〜5%程度の低金利で資金を調達できることが多く見られます。
無担保融資は高金利、担保付き融資は低金利という特徴があるため、資金調達の目的に応じて選択することが重要です。
審査基準の違い
無担保融資と担保付き融資では、審査基準に大きな違いがあります。
無担保融資では担保がない分、借り手の信用力や収入状況が重視されます。
一方、担保付き融資では、担保として提供する資産の価値が重視されるため、信用力が十分でなくても融資を受けられる場合があります。
また、無担保融資では信用スコアや返済能力を証明する書類が必要ですが、担保付き融資は多少の信用不安があっても、融資が可能になることがあります。
審査基準は、無担保融資は信用重視、担保付き融資は資産価値重視という違いがあります。
返済条件の違い
無担保融資と担保付き融資では、返済条件にも違いがあります。
無担保融資は、返済期間が比較的短く設定されることが多く、早期の返済が求められることがあります。
一方、担保付き融資では、返済期間が長期にわたり、返済計画を柔軟に設定できるケースが一般的です。
無担保融資では1〜3年の短期返済が求められますが、担保付き融資では5〜20年の長期返済が可能で、事業の成長を見据えた長期の返済プランを組めます。
無担保融資は短期返済、担保付き融資は長期返済の柔軟性があるため、借り手の状況に合わせて選ぶことが重要です。
事業者にとっての選択基準
事業者が無担保融資か担保付き融資を選択する際には、状況に応じた判断が必要です。
資産を担保に差し出せる場合や、低金利で高額な資金調達を希望する場合は担保付き融資が適しています。
一方で担保を提供できない場合や、緊急で資金調達が必要な場合は無担保融資を利用する方が良いでしょう。
事業者は、自身の資産状況や資金調達の目的に応じて、無担保融資か担保付き融資を選択することが重要です。
無担保融資の選び方
無担保融資の選び方を解説します。
- 事業計画に応じた融資選び
- 無担保融資が適しているケース
- 担保付き融資が適しているケース
事業計画に応じた融資選び
融資を選ぶ際には、事業計画に応じて融資を選ぶようにしてください。
事業の成長速度や資金調達の目的に応じて、無担保ローンか担保付きローンを選択することで、最適な資金運用が可能になります。
事業が急成長中で短期的な資金が必要な場合と、長期的な投資が必要な場合では、適したローンの種類が異なります。
急な資金調達が必要なスタートアップ企業は、スピードが求められる無担保ローンを選ぶのがおすすめです。
一方、設備投資や大規模な事業拡大を計画している企業は、長期返済が可能な担保付きローンを選ぶと、返済負担が軽減されます。
融資は事業計画に合わせて選び、最適な資金調達を行いましょう。
無担保融資が適しているケース
無担保融資は、緊急かつ短期的な資金が必要な場合に適しています。
担保を用意する時間や手間がかからず、比較的簡単に審査を通過できるため、迅速に資金調達ができるという利点があります。
特に、担保を持っていない小規模事業者やスタートアップ企業にとっては有力な選択肢です。
急な資金調達が必要となったときに、無担保融資を利用して迅速に資金を調達し、機会を逃さずに事業を拡大できるでしょう。
無担保融資は、短期的かつ迅速な資金調達が必要な場合に最適な融資といえます。
担保付き融資が適しているケース
担保付き融資は、長期的かつ大規模な資金調達が必要な場合に適しています。
担保を提供することで、より低金利で多額の資金を借りることが可能になり、長期の返済計画を立てやすくなります。
これにより、大規模な設備投資や不動産購入など、長期的な視点での資金調達に向いています。
例としては、担保付き融資を利用してより多くの資金を調達し、低金利で返済負担を軽減しつつ、長期的な事業拡大を図ることができます。
担保付き融資は、長期的な資金ニーズに対応できる選択肢として、特に大規模な事業計画に適しています。
無担保融資を受けるときの事前準備
無担保融資を受ける際の事前準備について解説します。
事業計画書の作成
無担保融資を申請する際には、事業計画書の作成が不可欠です。
事業計画書は、融資の目的や事業の将来性を具体的に示すものであり、金融機関に対して信頼性をアピールする重要な要素です。
目的や将来性に関して、明確な計画を示すと融資審査が通りやすくなります。
たとえば作成した事業計画書を複数の人に見てもらい、フィードバックをもらう方法は、事業計画の偏りがなくバランスの取れた計画書になります。
したがって、無担保融資を成功させるためには、しっかりとした事業計画書の作成が必要です。
返済計画の立て方
返済計画を立てることは、無担保融資の申請において非常に重要です。
明確な返済計画を提示することで、金融機関に対して返済能力を示すことができ、融資の審査を有利に進めることが可能になります。
資金繰り予定表の作成はとても効果的で、税理士などの専門家にアドバイスをもらいながら作成することで、より資金繰りの安定が見込めます。
無担保融資の申請には、具体的で実現可能な返済計画の策定が非常に重要です。
審査に必要な書類
審査に必要な書類は、以下のとおりです。
- 健康保険証
- 本人確認書類
- 法人の場合は決算書(2期分)
- 商業登記簿謄本(法人の場合)
- 個人事業主の場合は確定申告書
- 事業内容確認書(個人事業主の場合)
これらの他にも、別途書類の提出が求められる場合があるので、融資を受ける際は、しっかりと確認しておきましょう。
引用:アイフル(事業サポートローン)
【まとめ】無担保融資の特徴を知って状況に応じた融資を活用しよう!
今回は無担保融資の特徴や、担保付き融資との違い、無担保融資を利用するにあたっての選び方について解説しました。
担保がない分、迅速な資金調達が可能ですが、金利が比較的高くなる場合があること、信用力や事業計画の綿密さが重要です。
今回の記事で、自分が受ける融資は無担保融資が良いのか、担保付き融資の方が適しているかを判断して、状況に応じて融資を利用してください。
補助金や助成金もご活用ください!
無担保融資以外にも、補助金や助成金を活用して資金調達ができます。
補助金や助成金は、担保や保証人が必要なく、原則として返済義務もないので、資金調達や返済負担の悩みを解消できるのです。
補助金や助成金を活用したい方は、ぜひ下記リンクにてチェックしてください!